はちみつを思わせる甘み、ドライプラム、レーズンを連想させるぎゅっと詰まった果実味、ナツメグのようなスパイス感
近年、スペシャルティコーヒー業界で最注目の生産国ルワンダからアナエロビック(嫌気性発酵)ナチュラルプロセスのクロップをリリースいたします。ルワンダコーヒーといえば飲みやすいバランスの取れた味わいながらフルーティーなフレーバーのイメージ。今回のルワンダ東部に位置するフムレCWS(Coffee Washing Station)周辺農家が栽培したクロップもアナエロプロセス特有のトロピカルフレーバーがバランスを崩すことなくうまく溶け込み調和しています。はちみつを思わせる丸い甘みとドライプラムやレーズンのような濃縮された果実感、ジンジャーやナツメグを彷彿とさせるほのかなスパイス。みたらしを連想させるうまみのようなフレーバーなどなど。複雑です。甘みがあるフルーティーなコーヒーがお好きな方に。ぜひこの機会にお試しください、おすすめです。
このコーヒーを届けてくれたのは、ルワンダに10か所、隣国のブルンジに2か所のウォッシングステーションを運営しているBaho Coffee。創業者のルサティラ・エマニュエル氏は、大学で農村開発、農業ビジネスを学んだ後、大手の多国籍コーヒー輸出会社で働くこと12年。「おいしいコーヒーを作っているのに取り残されているルワンダの小規模農家の力になりたい」という情熱に駆られて、2017年にBaho Coffeeを設立しました。ルワンダを語る上で避けて通れない90年代初頭のジェノサイドを経験し、想像できないほどの過酷な人生を歩んできた彼は、非常に強く、前向きに今の事業に取り組んでいます。まさに魂がこもった仕事と言えるのではないでしょうか。その情熱がコーヒーの品質に表れています。「私たちはコーヒーと一緒に、ルワンダという国を売り込んでいるのです」という彼の言葉には大きな可能性と夢を感じます。今後もますます期待ができるコーヒーカンパニーです。
※ルワンダは、アフリカ大陸のほぼ中央に位置する小国。国土の大部分が標高1000m以上の丘陵地で、「千の丘の国」とも呼ばれる自然豊かな国、マウンテンゴリラの生息地としても有名ですね。20年以上前にジェノサイドの悲劇があった国としても知られていますが、現在は奇跡の復興を遂げ、IT化も進んだアフリカの先進国の1つです。コーヒーに関しても、輸出金額で第1位、品質も以前のナチュラル精製からウォッシュトに切り替わったことにより飛躍的に向上しました。またアフリカ大陸で初めて“Cup of Excellence” を開催、世界のスペシャルティコーヒー市場でも重要な産地として認知されています。
※アナエロビック(嫌気性発酵)
元々ワインの発酵でよく知られる手法。通常は酸素に触れることで発酵が進みますが、発酵酵母の中には、酸素を嫌う微生物も存在します。それらで発酵させることで通常とは異なる味わいやフレーバーが生まれます。酸素を嫌う微生物の活動を活発にさせる為、空気を抜いて、酸素がない状態で発酵させるプロセスをアナエロビック ファーメンテーション(嫌気性発酵)と呼びます。通常の発酵プロセスのコーヒーとは異なるフレーバー、例えば、トロピカルフルーツ、シナモン、モルトなどの独特の味わいが生まれ、コーヒーの味わいに新たなる可能性を生み出しています。
【Roast Level】
ミディアムロースト
浅い ★★★★★★★ 深い
【Flavor】
コク ★★★★
甘み ★★★★★
酸味 ★★★★★
苦味 ★
香り ★★★★★
【Cupping Comment】
はちみつ、ドライプラム、レーズン、黒ぶどう、メロン、ナツメグ、ジンジャー、ミディアムボディ
【Beans Data】
生産者:フムレCWS周辺の小農家
地 域:東部州ガシボ地区
品 種:ブルボン
精 製:アナエロビック ナチュラル